ノミに注意!
こんにちは、今回のブログを担当します看護師の稲垣です。
暑い日が続きますが、皆様体調など崩されていませんでしょうか?
わんちゃん・ねこちゃん達も、暑さで体調を崩しやすい時期ですので、暑さ対策をしっかりとしていきたいですね🐶
(なぜかエアコンの上に乗っていたほたてさん)
そんな高温多湿な今の時期に予防してほしいことのひとつに、ノミ予防があります。
ノミといえば、よく動物の体についていて、痒みを引き起こすイメージが強いかと思います。
今は室内で飼われていたり、予防もしっかりとされている方が多いのであまり目にする機会はないかもしれませんが、お散歩後についていたり、いつのまにか寄生しているということも少なくありません。
まず、目に見えるノミというのは、全体の約5%くらいと言われています。
その他 約95%くらいは、さなぎ・幼虫・卵になります。
つまり、一度たくさんノミが寄生してしまうと、目に見えるノミだけを退治しても周りの環境中にまだたくさんのノミの成虫予備軍がいることになってしまうので、長期的な駆除が必要になってきます。
お家に殺虫剤を使ったり、カーペットにこまめに掃除機をかけたり、使っている布製品を取り替えたり…なかなか大変です。
人にもうつるので、気づいたら赤い湿疹ができている…なんてこともあります。
わんちゃん・ねこちゃんも、ノミによるアレルギー性皮膚炎や、瓜実条虫というノミを媒介して感染する寄生虫などがあります。
そうなる前に、定期的に予防をしてあげたいですね。
ノミがいるかの判断方法として、体表にいるノミを見つけることの他に、動物の毛をめくってノミの糞を見つけるという方法もあります。
ノミの糞は黒くて小さいゴマみたいな粒ですが、アルコールに浸したコットンでこすってみると、赤色になります。
ノミは吸血するので、血液の色でこんな感じで赤くなります。
もし、お家の子に小さい黒い粒がたくさんついていて、ノミがいるかも?という時には試してみてください。
ノミは、基本的には月に1回 おやつみたいに食べるタイプや、背中につける液剤タイプなどで予防することができますので、ご興味のある方はお気軽にお尋ねください🐈🎵
まだまだ暑い日が続きますが、楽しく夏を乗り切りましょう~🌞
(若い子には負けていられない かつおさんといつも元気いっぱい うさぎのうなちゃん🐰)
熱中症
こんにちは。獣医師の三木です。
今回は熱中症について少しお話させていただきます。
ここ最近の蒸し暑さは人も体調を崩してしまいそうですが、動物たちにとっても同様に気をつけてあげなければならない季節です。
ワンちゃんの熱中症の発生件数は4月から増加し7月が最も多く、次いで8月に多くなります。
熱中症は高温多湿な環境、熱放散能の低下、過度な運動などが原因となり、発熱と放熱のバランスが崩れた時に起こります。加えて環境順応不足も影響するため、これが6~7月に多い理由です。
熱放散能が低下する動物側の要因として、短頭種、肥満、呼吸器疾患や心疾患などの病的状態があります。
症状として、粘膜のうっ血および充血、頻脈、パンティングなどがみられます。
より重篤な状態になると、虚脱、運動失調、嘔吐、下痢、流涎、意識消失、発作などが認められます。
今の時期は熱中症対策をされている方がほとんどかと思いますが、万が一熱中症になってしまった場合、冷却処置をなるべく早期に開始する必要があります。
まず高体温の原因となるような外部環境の改善、誘発因子の除去を行い、体外からの冷却を行います。
冷却方法はいくつかありますが、常温の流水(あるいは水スプレー)をかけて扇風機で風を送るという方法があります。
病院への移動中などは車内の冷房に加え、凍った保冷剤を‘‘タオルでくるんで‘‘首や腋窩、鼠径部にあててあげてください。(体表の過度な冷却は逆効果になることもあるので注意が必要です)
熱中症では早期の冷却処置が救命に重要になりますので、お気を付けください。
最後にリバティの看板猫たちです。
仲良しコンビのもずく&ほたてはいつもじゃれ合って暴れてます。
かつお&こんぶはできるだけ子猫たちには関わりたくないようです(^^;
わんちゃん、猫ちゃんの「変形性関節症」に新しいお薬が出ました。
皆様こんにちは、獣医師の藤井です。蒸し暑い日が続きますがお元気でお過ごしですか?効果的にエアコンを使って、人も動物も体調を崩さないようお気をつけくださいね。
私事になりますが、出産のため長らくお休みをいただいておりました。現在は短時間での勤務をさせていただいており、引き続き皆様にご迷惑をおかけしてしまうこととなり、申し訳ありません。
さて、今回はわんちゃんや猫ちゃんの「変形性関節症」についてお話させていただきたいと思います。
これは年齢や肥満、品種、怪我などさまざまな要因により関節の軟骨やその周囲の組織に変形が起き、慢性的な痛みを生じる疾患で、関節痛の原因として多くの割合を占めています。8歳以上のわんちゃんでは約80%、12歳以上の猫ちゃんでは90%以上が罹患しているというデータもあるようです。
わんちゃんでは歩き方の変化(跛行)、お散歩に行きたがらない、痛みのある関節を舐める・噛む、ジャンプをしなくなる、階段を登らなくなる、触ると痛がって怒るなどのサインが現れます。
猫ちゃんでは高いところにあまり登らなくなる、じっと寝ていることが多くなる、飛び降りる時や階段の上り下りに勢いがなくなる、などのサインが現れます。(※猫ちゃんは一般にわんちゃんと比べ痛みを隠す傾向が強いため明らかな症状を見せないこともあります。)
この病気は完治が難しいため、生活の質を保つことを目的として、お薬、体重管理、食事療法などを組み合わせて痛みを和らげる治療を行います。
しかしこれまで一般的に使われてきたお薬は、長期的に使うと腎臓や肝臓に負担がかかるリスクがありました。なので、サプリメントを併用して少しでもお薬を使う量や頻度を減らして長期的な治療を行ってきました。
そんな中、2023年に、これまでと全く異なる方法でこの病気の痛みを軽減してくれるお薬が登場しました!変形性関節症により生じる「痛みの原因」を標的とした抗体薬で、1ヶ月に1度のお注射で大きな効果を発揮します。ピンポイントで痛みをブロックしてくれるお薬なので、従来のお薬と比べ副作用が少ないのが最大のメリットかと思います。また、病院で1ヶ月に1度お注射をするので、お薬を飲むのが苦手な子にも安心です。
もともと膝が悪くあまり高いところには登っていなかった当院の看板猫のかつおさんも、このお薬を注射してから高いところに登るようになりました。心なしか、表情も自信に満ちているようです。
わんちゃん猫ちゃんに気になる症状がある方はもちろん、シニア期の子やぽっちゃりさんがいてもしかしたら?という方、新しいお薬ってどんな感じ?と気になる方、ぜひ当院のスタッフにご相談くださいね。