診察案内
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神経科

神経科

椎間板ヘルニアやてんかんなど、神経分野での症状・疾患について診療を行っております。

検査から手術まで対応しておりますので、まずはご相談ください。

 

治療の特長・方法

特発性てんかん

病気の概要

てんかんは「てんかん発作を引き起こす持続性要因を特徴とする脳の障害」であり、「24時間以上の間隔で生じた2回の非誘発性(または反射性)発作」を呈する脳疾患である。てんかんおよびてんかん発作は通常、放置しておくと頻度と強度が増してくる。またその頻回な発作により、脳の別の場所に新たに発作を起こす領域が生成されたりして、より重篤化する。また度重なるてんかん発作は脳に可逆的/不可逆的な損傷を与え、長時間の発作重積などではときに死に至ることもある。特発性てんかんとは明らかな脳の病変がみられないものである。脳に病変があるものは症候性てんかんと呼ばれる(脳炎・脳腫瘍・水頭症など)。通常は1~6歳で初発の発作を迎える。

気候の変化、ストレスなどが発作のトリガーになることがある。発作は意識を失って全身の痙攣が起こるものから、手足が部分的に痙攣するような軽度のものもある。

診断のために行う検査

  • 神経学的検査
  • 脳波検査
  • MRI検査
  • X線検査
  • 心電図検査
  • 血液検査

治療方法

目安として3カ月に2回以上発作が起こった症例、群発発作・重責発作の症例で抗てんかん薬による治療を開始する。特発性てんかんで発作がコントロールできている場合、生存期間は健康な動物と変わらないとされている。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア

病気の概要

椎間板は背骨である隣り合う椎体の間に存在し、髄核、線維輪、軟骨性終板で構成されている。脊柱管側の線維輪が断裂し、内側の髄核が脊柱管に突出して脊髄神経を圧迫するHansen Ⅰ型と、脊柱管側の線維輪が変性・肥厚して脊髄神経を圧迫するHansen Ⅱ型に分類される。臨床症状は、軽度のものでは疼痛・食欲の低下がみられ、重度のものでは麻痺がみられる。重度の麻痺では痛覚までも失われる。

病気の種類

Hansen I型

ダックスフンドを代表とする軟骨異栄養犬種が好発犬種とされ、その他の犬種にビーグル、コッカー・スパニエルなどがあげられる。髄核の脱水や変性が1歳を超えた段階から生じるため、極端に発症リスクが高く、若齢でもみられる特徴がある。症状の発生は急性で、突然の疼痛や不全~全麻痺を主徴とする。また、突出した椎間板物質が吸収されると自然治癒することもある。

Hansen II型

椎間板背側の肥厚突出した線維輪に起因するため、痛みをともなうこともある慢性進行性の不全麻痺を呈する。このタイプは突出した椎間板が吸収されないので、自然治癒することはない。

診断のために行う検査

  • 神経学的検査
  • X線検査
  • CT検査
  • MRI検査

治療方法

ケージレストによる絶対安静が必要である。疼痛のみの症例では内科治療でよく反応する。麻痺がある症例で内科治療に反応がない場合は手術が必要である。深部痛覚が失われた症例は直ちに手術を行う必要がある。

前庭疾患

病気の概要

前庭疾患は、前庭系が障害された結果として特徴的な臨床症状を呈する臨床症候群であり、その背景には複数の原因疾患が存在する。前庭疾患の最も一般的な臨床症状としては、捻転斜頸、眼振、転倒、運動失調などがあげられる。特発性前庭疾患とは、原因不明の前庭障害を呈することであり、高齢犬において遭遇するケースが多く老齢性前庭疾患とよばれることもある。画像検査を含めた臨床検査において、多くの原因の中から可能性のある特定の疾患(例えば中耳炎や内耳炎)を除外することにより、最終的に本疾患名となる。

病気の種類

末梢性前庭疾患:原因として中耳炎・内耳炎が49%、特発性前庭疾患が39%であったと報告されている。その他の原因では鼻咽頭ポリープなどがある。

中枢性前庭疾患:原因としては髄膜脳炎や腫瘍、小脳梗塞などがある。

診断のために行う検査

  • MRI検査
  • CT検査
  • X線検査
  • 脳脊髄液検査
  • 抗体検査

治療方法

特発性前庭疾患は、経過観察で改善することが多いが、嘔吐や食欲不振などで全身状態の悪化につながるため、輸液や制吐剤などで対症療法を行う。