椎間板ヘルニアについて
今回ブログを担当します、中村昭仁です。
寒くなってきました。
体調管理はしっかりと。
今回は椎間板ヘルニアという病気について書こうと思います。
椎間板ヘルニアは主にワンちゃんに起こる神経の病気です。
動物は頭蓋から尻尾までの脊椎の中を脳脊髄とよばれる神経の束がはしっています。
脊椎はいくつかの骨を数珠のようにつなげたものであり、
それらのクッションの役目をする結合組織が脊髄を圧迫して神経麻痺を起こす、
それが椎間板ヘルニアとよばれる病気です。
ミニチュア・ダックス、ビーグル、ペキニーズ、コーギー、
フレンチブルドック、シー・ズー、コッカースパニエル
などの犬種は先天的にこの病気になりやすいため要注意です。
初期は首や腰の痛みから、ふるえ、抱っこしようとすると嫌がる(痛がる)、
部屋の隅にじっとして動かない、などの症状が認められます。
症状が進行すると神経麻痺から、後肢をひきずって歩く、
四肢に力がはいらず歩行や起立ができない、などの症状が認められます。
症状が軽度の場合は抗炎症剤の投与により治療を行います。
症状が重度の場合や神経麻痺が進行した場合は、
外科手術により脊髄の圧迫を引き起こしている物質を取り除く必要があります。
脊髄の圧迫箇所がどこにあるのかを診断するため、
現在では主にCT、MRI検査を行います。
発症から早期に手術を行った場合、
神経麻痺が改善されて再び歩行が可能になる確率は50%といわれています。
手術後の管理も大変です。
最低でも1ヶ月ぐらいは行動制限を行う必要があります。
そして屈伸運動などのリハビリを毎日行います。
もちろん神経麻痺が残る場合もあり、
自力で排尿できないときは補助して尿を出してあげたり、おむつを着用します。
床ずれができたときは定期的に体位を変換してあげます。
ワンちゃんは散歩が大好きです。
歩行異常などの症状に気づいたときは早めに診察をうけましょう。
冬に気をつけたいこと
寒くなってくると、お水を飲む量が減った入りトイレを我慢してしまったりしておしっこのトラブルが増加します。
とくに水の飲む量が減ってくると尿が濃縮されておしっこに石ができやすくなります。
特に雄猫は尿道が細くなっているので小さい石が尿道につまってしまうこともあります。もし尿道が完全に閉塞してしまうとおしっこがでなくなってしまい放っておくと命にかかわる状態になってしまいます。そのため特に雄猫ではトイレに頻繁に行くまたは、おしっこのポーズをするが尿は出ていないなどの症状がみられた場合は一度ご来院ください!
最近ではフードの成分が改良されてきており結石ができにくいフードが色々とでています。またウェットフードを与えることにより水分摂取量を増やしておしっこをどんどんさせることにより予防にもなります。どのようなフードを与えたほうがよいかなど予防について、ご質問があれば病院にご相談ください。