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猫の経口補水液

こんにちは。獣医師の三木です。

寒い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

今の季節は猫ちゃんの飲水量が少なくなる時期ですね。

うちの子たちも、若干水を飲む量が減っている気がします。

そこで、猫ちゃんの泌尿器疾患のケアに欠かせない水分摂取をサポートしてくれる

経口補水液を試してみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピュリナのサプリメント「ハイドロケア」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2匹ともすごい勢いであっという間に飲み干してしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見た目は薄茶色の液体で少しびっくりしましたが、うちの子たちは大喜びでした。

好みは分かれそうですが…

日常的に飲水量を増やす方法としては他にも

・常に新鮮な水を与える

・循環式容器や蛇口からの流水、鶏肉の茹で汁など香りのついた水など

様々なタイプの水を与える

・口の広い容器を使う、プラスチック製の器は避けるなど容器を工夫する

・器を置く場所はトイレの近くを避ける、いろいろな場所に置く

・ウェットフードに変える

などなど、いろいろあります。

猫ちゃんの水分摂取量を増加させるにはドライフードよりもウェットフードの方が

望ましいですが、ウェットフードを食べない子もいますのでいろいろな方法を

試してみてください。

最後にリバティの癒し、こんちゃん、かっちゃんコンビです。

 

 

 

中毒を起こしてしまう食物

こんにちは獣医師の古本です。

2022年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

犬にとって中毒となる食べ物についてお話しします。

一つ目は玉ねぎです。玉ねぎの他にネギ、ニンニクも中毒を起こしてしまいます。

これらを摂取することで貧血を起こす可能性があります。

初期症状としては嘔吐、下痢、食欲低下などがあります。

二つ目はチョコレートです。

チョコレートに含まれるカカオにより中毒が起こります。

初期症状としては多飲、嘔吐、下痢、落ち着きのなさなどがあります。ひどい場合だと過剰な興奮、高熱、呼吸が早くなったりすることがあります。

三つ目はブドウです。

ブドウを摂取しても中毒を起こさない犬もいることから特異体質が原因と考えられています。

嘔吐がもっとも特徴的な症状です。

四つ目はキシリトールです。

摂取されたキシリトールによりインスリン分泌が刺激され低血糖症を引き起こします。

 

これらの食物を食べてしまった際はすぐに病院に来ていただく事をおすすめします。

 

誤食をする子は繰り返ししてしまいます。

うちでは誤食しないようにしていることとして

①キッチンに入れない

②人がご飯食べている時は別の部屋にいてもらう

③猫がいる時は食べそうなものは置かない

④外出・目を離すときはケージにいれる

などをしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に、クリスマスにサンタの帽子をつけられて不服そうな顔をしているシャルムさんです。

 

 

1月17日に考えるペットの防災

こんにちは獣医師の柳田です。

2022年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

1月といえば神戸っ子の私としては忘れられない出来事があります。

17日で阪神淡路大震災から27年が経ちます。

当時まだ当院はありませんでしたが、東灘区も激震地で、地域でも犠牲になられた方がいらっしゃいます。

震災でお亡くなりになられたすべての方々に哀悼の意を表します。

 

27年という月日の中で、阪神淡路地域だけでなく日本中で様々な災害が発生してきました。最近は毎年のように各地で豪雨による災害も起きています。

そこで今日はペットが居る家庭での防災について考えてみようと思います。

 

《災害に備えてできる7つのこと》

①   自宅の耐震診断を受けておく

→地震以外の自然災害では、役に立たないかもしれませんが地震がおきても家が倒壊しなければ、避難所生活を短縮することができます。実はこれが一番わんちゃん・猫ちゃんと飼い主さんのストレスを軽減できます。特に震災前から建っている建物は必ず一度耐震診断を受けておきましょう。(阪神淡路大震災で被害のあった地域の自治体では条件によって、診断自体が無料だったり、補助金をうけられるケースもあります!)

 

②   狂犬病・混合ワクチン予防接種・ノミダニ予防

→狂犬病・ノミダニ予防は避難所での受け入れ条件になっていることが多いですので、狂犬病は年に1回、ノミダニ予防は月1回必ず受けておきましょう。また、避難生活ではストレスによって免疫力が下がってしまいます。病気をもらわない・うつさないためにも、混合ワクチンの接種もオススメします。

 

③   マイクロチップの挿入と登録

→みなさんのわんちゃん、猫ちゃんにはマイクロチップはいっていますか?非常事態で災害時はぐれてしまった場合保護されても所有者がわからず、飼い主の元に戻れない子たちが大きな災害では出てきます。特に猫ちゃんはマイクロチップの挿入をオススメします。首輪をつけている子も迷子札までつけていることは少ないのではないでしょうか?猫ちゃんは地震に驚き家を飛び出すこともあり、実際の災害現場ではわんちゃんより猫ちゃんのほうがはぐれてしまうことが多いです。またマイクロチップの登録をしてから住所を変更してしまった人は、メールやFAXで獣医師会に住所変更届け出ないといけないので注意が必要です(詳しくはこちらから http://nichiju.lin.gr.jp/aigo/index.html#micro2

 

④   ペットの避難セットを用意

・療法食/薬

・フードと水(少なくとも5日分)

・キャリーやバッグ/洗濯ネット

・予備の首輪と伸びないリード

・ペットシーツ・猫砂/防臭袋などの排泄物を処理するもの

・狂犬病接種済み票、ワクチン証明書、健康状態や投薬状況を簡単にまとめたもの

→最低限上記は避難する際ぱっと持てでられるようにまとめておきましょう。特に心疾患の薬などは欠かすと一気に体調が悪くなることもあります。獣医師と相談して+2週間程度余分に持っておくのがオススメです。

 

⑤   避難に必要なしつけをおこなっておく

・スムーズにケージやキャリーに入るしつけ

→来院時以外にも、お出かけや楽しいことをするときにも使うことで負のイメージをできるだけ与えないようにしましょう。

・中~大型犬などは口輪をはめる練習

→避難所でのトラブルを避けるため口輪が必要になることがあります。スムーズにつけられるように訓練しておきましょう。

 

⑥   どこに避難できるか確認しておく

◇1次避難場所

→地域の避難所に避難することになります。動物と“同行避難”(ペットと避難所まで一緒に避難行動をすること)できる近くの避難所を事前に探しておきましょう。神戸市の場合インターネット等で可否を確認することはできないため避難所に直接電話をするか、市の危機管理室に問い合わせる必要があります。またペットを受け入れてもらうためにも日頃から地域の人とコミュニケーションを取っておくことも大切です。

◇2次避難場所

→災害発生後、自宅に戻れない場合は引き続き避難所で生活を送ることになるかもしれません。ペットと“同伴避難”(避難所内で一緒に生活すること)できることは難しいことも多いのが現状です。できれば、親族や信頼できる預かり先を見つけておきましょう。

 

※同行避難と同伴避難

⑥   で説明した中にでてきた“同行避難”“同伴避難”の違いって知っていますか?

“同⾏避難”とは、避難所までの避難⾏動を同行のことを指していて、東日本大震災以降、ペットを飼っている人は同行避難が原則となっています。言葉がややこしいのですが、同行避難は避難所で、ペットと⼈が同じスペースで過ごすことなどの(同伴避難)を 指すものではありません。基本的に、避難所内ではわんちゃん・猫ちゃんは別のスペースでケージなどの中で過ごすことになります。

“同伴避難”とは飼い主さんと同じスペースでわんちゃん・猫ちゃんと過ごすことです。災害後状況が落ち着いてくると同伴避難可能な避難所が開設される可能性がありますが、災害の規模や被災者の人数によっては開設されない場合もあります。

 

環境省のホームページにはさらに詳しいリーフレットなどがのっているので、是非見てみて下さい

環境省_ペットの災害対策 [動物の愛護と適切な管理] (env.go.jp)

 

最期に皆さんに伝えたいことは、災害がおきたら・避難指示がでたら迷わず大切な動物たちといっしょに避難してください! ということです。

「この子がいるから逃げられない…」その躊躇で取り返しのつかないことになってしまったら、あなたもあなたのペットも必ず後悔します。

一方で、世の中には動物を飼っていない人もたくさんいるため配慮は必要です。

だからこそ動物を飼っている人ほど事前の防災対策が大切です。

 

27年前に大きな震災を経験した地域だからこそ、1.17の教訓を活かすためにも、災害の備えについて一度見直してみてください。