Pet Firts Aid セミナー
こんにちは。看護師の水畑です。
まだまだ暑い日が続いていますが、ペットさん、飼い主さんともに体調を崩されたりはしていませんでしょうか?
今回は先日参加してきたセミナー「Pet First Aid」についてです。
まず、「First Aid」とは緊急事態の際に必要な人工呼吸や心臓マッサージ、外傷の止血などケガや事故の際のその場での応急処置を意味します。そのPet=動物(主に犬・猫)バージョンがこの「Pet Fiest Aid」です。
セミナーでは人工呼吸・心臓マッサージ、簡易担架の作成の仕方や包帯の巻き方の実技のほか、咬傷時や出血・外傷・火傷・熱中症・凍傷・中毒時などの応急処置を学んできました。
ペットさんの状態が緊急事態なのか、そうでないのかの判断は普段の状態を把握していてこそ分かる事も多いです。緊急事態に備え自分のペットさんの正常時のバイタルサイン(※)を把握しておきましょう。
※心拍数・呼吸数・体温・毛細血管再充満時間(CRT)を指します。
①心拍数
ペットさんの左腕を曲げて肘で隠れる部分に心臓があります。その部分に指をあて、心臓が脈を打つ回数を数えましょう。内股にある大腿動脈でも測定可能です。15秒数え4倍し、1分間の心拍数を求めます。
正常心拍数 子犬・・・・・・・120~140
小型犬・・・・・・100~160
中・大型犬・・・・・70~120
猫・・・・・・・・120~140
②呼吸数
安静時に1分間の呼吸数を数えましょう。こちらも15秒数え4倍すると簡単です。
正常呼吸数 子犬・・・・・・・15~40
小型犬・・・・・・18~34
中・大型犬・・・・18~34
猫・・・・・・・・16~40
ワンちゃんの場合、運動後や体温を下げるために口を開けて呼吸する事がありますが、ネコちゃんがそうすることは稀です。
ネコちゃんが口を開けて呼吸をしている状態が3分以上続くときは緊急時事態と判断し、すぐに病院に連絡してください。
③体温
ワンちゃん、ネコちゃんの体温はお尻(直腸温)で計ります。ペットさん用の体温計を1本用意しておくと便利です。
平 熱 犬・・・・38.3~39.2℃
猫・・・・38.6~39.2℃
④毛細血管再充満時間(CRT)
唇をめくり、歯茎を指で押します。押された歯茎は白色に変化し、その後素早く元のピンクに戻ります。このピンクに戻るまでの時間を毛細血管再充満時間と言います。
通常は1~2秒でもとに戻ります。3秒以上掛かるようなら緊急事態の可能性が大きいです。
また、同時に粘膜の色もチェックしましょう。粘膜は歯茎や唇、頬の内側、下まぶたなどです。通常は明るいピンク色をしていますが、十分に酸素が循環されていないと白色や赤黒色、紫色になり血中の酸欠状態を示します。
ワンちゃんの種類によって粘膜の色が元々暗い色をしてる場合もありますので、その場合は下まぶたで確認するのが良いでしょう。
いずれも1回計測しただけでは、正常値を特定することは難しいです。最低1週間は決めた時間に出来るだけ同じ条件で測定しましょう。
今回掲載している数値はPet First Aidの教科書から抜粋しています。この数値にあてはまらないからといってけしてそれが異常という訳ではありません。
ペットさんひとりひとりの値ははそれぞれ違いますので、継続測定して平均値を見つけてください。
応急処置については次の機会に紹介したいと思います。
手術実績 5-7月
5-7月の当院の手術実績です。
今クールは、肝臓腫瘍が非常に多く、血液検査では肝数値の異常が認められない症例も多かったことからレントゲン検査や超音波検査の重要性を再痛感しました。6歳を越えると犬猫はシニアに分類されますので定期的な健診をお勧めします。
軟部外科
精巣摘出(不妊目的、精巣腫瘍)
子宮卵巣摘出(不妊目的、子宮蓄膿症、腫瘍)
体表腫瘍
乳腺腫瘍
膀胱結石
鼻腔内腫瘍
縫合糸反応性肉芽腫
胆嚢切除(胆石、胆嚢粘液嚢腫)
会陰ヘルニア
臍ヘルニア
鼠径ヘルニア
肝臓腫瘍
脾臓腫瘍
膵臓腫瘍
腸捻転
腸重責
歯肉腫瘍
整形外科
橈骨尺骨骨折
中手骨骨折
大腿骨骨折
股関節脱臼
肩関節脱臼
膝関節脱臼(内方および外方)
前十字靭帯断裂
椎間板ヘルニア
眼科
人工角膜移植
結膜移植
瞬膜被覆
瞬膜腺脱出(チェリーアイ)
眼球内義眼(ISP)
眼球内腫瘍‐眼球摘出
蜂巣炎‐眼窩切開
水晶体脱臼‐水晶体摘出
白内障:ファーブル動物病院のご協力
緑内障:前房シャント / 経強膜毛様体凝固