症例紹介

Case

2024/4/27

眼科

犬の眼球腫瘍について実際の犬の虹彩毛様体腺腫の一例

高齢の犬は腫瘍性疾患が増えますが、中には発見が難しい腫瘍もあります。
その中でも特に発見が困難なものの中が眼球腫瘍です。
眼の中はパッと見で異常を検出することが難しいからです。

今回はそんな眼球腫瘍について実際の症例とともにご紹介します。

眼球腫瘍にはどんなものがあるのか

眼球腫瘍は発生する場所によって

  • 眼球結膜/角強膜腫瘍
  • 虹彩/毛様体腫瘍
  • 網膜/脈絡膜腫瘍

に分けられます。

眼球結膜/角強膜腫瘍は眼の表面にできる腫瘍のことで、虹彩/毛様体腫瘍、網膜/脈絡膜腫瘍は眼の中にできる腫瘍のことですね。
眼球結膜/角強膜腫瘍は眼の形が変わることが多いので比較的発見が早いですが、虹彩/毛様体腫瘍、網膜/脈絡膜腫瘍は腫瘍が眼の中にできるため発見が遅れてしまうことが多いです。

眼球結膜/角強膜腫瘍には以下のものが挙げられます。

  • 黒色腫
  • 扁平上皮癌
  • 乳頭腫
  • リンパ腫
  • 肥満細胞腫
  • 線維肉腫

虹彩/角強膜腫瘍には以下のものが挙げられます。

  • 黒色腫
  • 腺腫
  • 腺癌

網膜/脈絡膜腫瘍には以下のものが挙げられます。

  • 髄上皮腫
  • 神経節神経膠腫
  • 脈絡膜黒色腫

これらの腫瘍は超音波検査などで、腫瘍がどこに発生しているかを診断することはできますが、正確な診断は眼球を摘出し病理組織検査を行うまでできないことが多いです。

眼球腫瘍の治療方法

眼球腫瘍は、眼球の一部だけを摘出することができないため、眼球そのものを摘出する方法が選択されます。

手術後はショッキングな見た目になってしまうことから義眼を入れる手術をすることもありますが、発生部位や重症度次第では義眼手術を行うのが困難な場合もあります。

実際の眼球腫瘍の症例

それでは実際の眼球腫瘍を治療した症例を紹介していきます。

症例は8歳のゴールデンレトリーバーで、右眼が充血しているとのことで来院されました。
一般的な眼科検査後に超音波検査で眼球内を確認すると右目の虹彩に腫瘍のような構造物があることがわかりました。

また眼の中の圧力を表す眼圧も右眼では上がっており、強い痛みがあると同時に視覚の消失が認められました。

以上の検査結果を踏まえて飼い主様と相談し、眼球摘出術という手術を行うこととなりました。

眼球摘出は全身麻酔下で慎重に行われました。
手術は無事に終わり、入院を経て元気に過ごせるようになりました。

摘出した眼球で病理組織検査を行ったところ、眼球内の腫瘍は虹彩毛様体腺腫という腫瘍ということがわかりました。
幸い虹彩毛様体腺腫は摘出してしまえば転移をする可能性が少ない腫瘍です。
今回の症例も慎重に経過を見なければいけませんが、この腫瘍が命に関わる可能性は少ないと予想されました。

まとめ

今回の眼球腫瘍の治療は、右眼が充血しているという非常にありふれた症状から始まり、正確な診断は超音波検査や手術後の病理組織検査をするまでわかりませんでした。
眼球腫瘍は、このように高度な検査を行わないと発見できないものがほとんどです。

疑わしい症状が認められた場合は動物病院に連れていき、診察してもらいましょう。

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