症例紹介

Case

2024/4/24

エキゾチックアニマル

ハムスターの皮膚腫瘍についてハムスターの被嚢化血腫を外科切除した実際の症例を解説

ハムスターの腫瘍は皮膚にできるものを含め、さまざまな種類があります。
ゴールデンハムスターよりジャンガリアンハムスターの方が腫瘍は多いと言われており、高齢になるほど多く発生します。

今日はそんなハムスターの皮膚腫瘍を、実際の症例を交えて解説します。

ハムスターの皮膚腫瘍は良性?悪性?

今回は皮膚腫瘍のお話ですので、皮膚にできる腫瘍に限って解説していきます。

皮膚の腫瘍は見た目で良性、悪性は分かりません。
そのため、細い針を刺して細胞を採ってくる細胞診を行う必要があります。
この細胞診は麻酔を必要とせず実施することが可能なため、体への負担が少ないと言われていますが、細い針もハムスターにとっては太く、一概に負担が少ないとは言えません。
検査には個体の性格や体力、体の状況を見極めることが大切と言えます。

では細胞診の検査をしなかった場合、正しく診断するにはどうすれば良いのでしょうか?
それは、「手術による摘出」しかありません。

ジャンガリアンの皮膚にできやすい腫瘍として、
良性は

  • 線維腫
  • 良性の乳腺腫瘍
  • 毛包腫瘍

などが挙げられます。

悪性は

  • 扁平上皮癌
  • 乳腺癌
  • 肉腫
  • 肥満細胞腫

などがあります。

ハムスターの皮膚腫瘍の治療方法と選択法 皮膚腫瘍の治療法に悩んでいる飼い主様向け

皮膚腫瘍の治療法に悩んでいる飼い主様向け

方法は内科治療、外科治療に分かれます。
内科治療は腫瘍に一定の効果が得られるとされている薬剤を使用する方法と、対症療法に分けられます。
前者は腫瘍に対する治療であるため、積極的な治療と言えます。
対症療法は、腫瘍が原因で発生する感染や痛み、食欲不振に対しての治療ですので、腫瘍そのものに対する治療とは言えません。

外科治療は手術による腫瘍の摘出を行います。
外科治療も腫瘍の治療に対して行うものと、対症療法に分けられます。

では内科治療、外科治療どちらを選択すればいいのでしょうか?

内科治療は

  • 内科治療がメインの腫瘍である
  • すでに転移があり、手術をしても寿命に差がない
  • 全身状態が悪い
  • 飼い主様が手術を希望されない

などの場合に選択されます。

外科治療は

  • 根治が見込める
  • 細胞診では診断がつかない
  • 感染や褥瘡のコントロールのため

などの場合に選択されます。

おうちのハムスターさんの状況に併せて、先生とよく相談して決めていただければと思います。

何もしないとどうなる?

良性の腫瘍であれば、そのままでも天寿を全うできることも多々あります。
しかし良性でも腫瘍が大きくなると、上手く運動できなくなったり、痛みや褥瘡化し感染を起こすこともあります。
悪性の腫瘍であれば、悪化や転移により徐々に衰弱することが予想されます。
良性腫瘍同様、腫瘍が大きくなれば痛みや出血、感染により生活の質を著しく下げることがあります。

実際の症例

症例はジャンガリアンのハムスターの雄です。
1歳9ヶ月で、胸にできものができたと当院にご相談に来られました。

ハムスターの皮膚腫瘍

 

ハムスターには腫瘍が多くできることを飼い主様にご説明し、治療として根治が見込めるのは手術であるとお伝えしたところ合意が得られましたので、手術による摘出を行いました。

摘出した腫瘍は病理検査を行い、被嚢化血腫という良性腫瘍であると診断できました。手術から3週間後に抜糸し、元気に過ごしてくれています。

まとめ

今回ご紹介した症例は血腫という良性の腫瘍でした。
しかし写真でも分かる通り、腫瘍はかなり大きくこの症例の運動をかなり制限していたと考えられます。
この症例もそうですが、特にジャンガリアンハムスターは腫瘍の発生が多い動物です。
ハムスターの手術は実施している病院も少なく、探すのに苦労をされている飼い主さまも大勢います。
当院ではハムスターの手術も積極的に行なっておりますので、皮膚の腫瘍や異変などありましたら、当院へご相談ください。

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