アニマルセラピー
2012.12.20
こんにちは。
久しぶりにブログを担当させていただきます看護士の大倉央子です。
11月のはじめに、有馬院長のご厚意により『ハワイ獣医師年次大会』に参加させていただきました。
この大会は、毎年ホノルルで開催されており、今年で59回目を迎えます。世界中から獣医師・動物看護士が集まり、海外で活躍されている先生方の講義を受けたり、施設を見学したり、実習を受けたりと、とても充実したセミナーでした。
今回は、マルヒア病院で行われているアニマルセラピーを見学してきましたので、そのことについてかかせていただきます(*^_^*)
この子たちは、現在マルヒア病院で活動しているセラピー犬です。
まず、アニマルセラピーとは…
動物とのふれあいや相互作用から生まれる様々な効果が医療や福祉、教育の現場で活用されています。広義でアニマルセラピーとよばれるこれらの活動は、目的などにより、おおまかに以下の3つに分けられます。
・AAA(Animal Assisted Activity)動物介在活動
動物とふれあうことによる情緒的な安定、レクリエーション・QOLの向上等を主な目的とした
ふれあい活動。一般にアニマルセラピーとよばれる活動の多くはこのタイプです。
・AAT(Animal Assisted Therapy)動物介在療法
人間の医療の現場で、専門的な治療行為として行われる動物を介在させた補助療法。
医療従事者の主導で実施します。精神的身体的機能、社会的機能の向上など、治療を受ける人に
あわせた治療目的を設定し、適切な動物とボランティア(ハンドラー)を選択、治療後は治療効
果の評価を行います。
・AAE(Animal Assisted Education)動物介在教育
小学校等に動物と共に訪問し、正しい動物とのふれあい方や命の大切さを子供たちに学んでもらう
ための活動。生活科や総合学習などのプログラムとして取り入れる学校も徐々に増えています。
(参照:JAHA 公益社団法人 日本動物病院福祉協会 )
ここでは、AAT動物介在療法が行われていました。
アニマルセラピーには、犬だけでなく猫、うさぎ、鳥、ハムスター、チンチラ、熱帯魚、ミニチュアホースなど、いろいろな動物が活躍していました。
日本では、セラピー犬になるためには、厳しいチェックやテストがありますが、ハワイは日本ほど厳しくはないようです。
国によって文化や価値観が違うように、セラピー犬に対する考え方も日本と少し違うところがあるな…と感じました。
活動時間は40~45分間と決められています。これは、ワンちゃんの集中力やストレスを考慮して時間は決められているようです。
活動中はオーナーさんとワンちゃんが必ずペアで行動します。
内容は、患者さんのそばへいきさわってもらったり、オーナーさんとワンちゃんがお歌を歌ったり、ダンスを踊ったりしていました。
マルヒア病院は、日本でいう、特別養護老人ホーム 障害者支援施設のような病院です。
デイケアも行われており、たくさんのおじいちゃま・おばあちゃまたちがいらっしゃいました。
はじめは笑っていなかったおばあちゃまたちが、ワンちゃんにふれ合うことで、徐々に自然と笑顔になっていき、私たちにも心をひらいて話しかけてくださいました。
患者さんたちはとても楽しそうでしたし、ワンちゃん自身もすごく楽しんでいました。
スタッフの方たちは、動物に決して無理をさせないこと・動物がHAPPYで楽しんでいることを、常に心がけているとおっしゃっていました。
アニマルセラピーについて、専門学校で講義を受けたり、テレビで見たりしたことはありましたが、実際にアニマルセラピーが行われている現場を見るのは今回が初めてでした。
患者さんの表情がみるみる変わっていく様子や、場の雰囲気が穏やかになっていく様子など、実際に体験し、感じることができてよかったなとおもいました。
言葉ではなく、気持ちや態度で患者さんの心を安心させてあげることができる…という面で、動物看護士としてとてもためにもなったし勉強にもなりました。
最後に、今回このような素晴らしい機会を与えてくださった有馬院長に、心より感謝いたします。
本当にありがとうございました。