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動物介在介入教育プログラム

2010.09.04

今回の担当は、獣医師の有馬広治です。

 

動物介在療法という言葉を聞いたことがありますか?

アニマルセラピーという言葉なら聞いたことがある方は多いと思います。

動物が持っている力で 人間の 認知症、うつ病、脳性麻痺などの治療を

行っていくことです。

以前 新聞で、アメリカ、ワシントン州の女性刑務所の受刑者に 介護犬の育成を

受刑中に行わせたところ、受刑者の再犯率が減ったという記事を読みました。

犬を育成することで、受刑者の精神的な更生にも影響を与えるという記事でした。

興味深い記事だなと思いながら、その反面、犬たちは相当ストレスを感じているのでは

と心配になりました。しかし、犬のストレスについては何も書いていませんでした。

その後、いろいろな情報を集めるうちに日本ではこの分野(動物介在介入教育)の

研究は欧米先進国に比べ15年以上も遅れをとり、知識、技術を十分に備えた

専門家が少ないことがわかりました。

 

 アニマルセラピーは 動物介在療法、動物介在活動、動物介在教育と3つに

分けられます。老人ホームなどへ動物をつれて お年寄りに喜んでもらうのは

動物介在活動で、幼稚園、小学校での動物飼育は動物介在教育にあたります。

欧米諸国での動物介在療法、いわゆるアニマルセラピーは、医療従事者、

心理・言語療法士などの専門家が治療のどこまでを動物に参加せるか計画をし、

犬、猫、馬、イルカなどの適切な動物を用いて実施するものいい、欧米諸国でいう

アニマルセラピーは日本の医療機関では行われていません。

この問題点の一つに、医学と動物学(獣医学)をコーディネイトする専門家が

いないことがあげられます。

 

麻布大学では、動物介在療法・活動・教育に関する知識、技術をもった専門家を

養成するプログラムがあり、講義、実習、最終論文をパスすると国際的に通用する

修了書がいただけます。

今回から、私は、その2年間のプログラムを履修することにしました。

獣医師として、より幅広い視野で診療が望めるのではないか、

また、何かしら医学と獣医学のかけ橋になれればと考えています。

(写真は、この分野の権威者である デニス・ターナー先生との面談の時のものです。)

 

 

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