症例紹介

Case

2026/9/24

エキゾチックアニマル

モルモットの子宮内膜ポリープの一例モルモットの子宮疾患は手術が必要?

「モルモットの陰部から何かが出ている」
「おしっこに血が混じっている」
このような変化に気づき、驚いた経験はありませんか。
モルモットのメスは子宮や卵巣の病気が多く、年齢を重ねるほど発症のリスクが高まります。
また、モルモットは体調不良を隠す習性があるため、気づいたときには病気が進行していることも少なくありません。

今回は、モルモットの子宮の病気について詳しく解説し、当院で手術を行った子宮内膜ポリープの症例をご紹介します。
モルモットの飼い主様はぜひ最後までお読みいただき、モルモットの健康管理にお役立てください。

モルモットの子宮にはどのような病気が起こる?

メスのモルモットは、年齢を重ねると子宮の病気にかかりやすくなります。
その原因のほとんどは、女性ホルモンの影響によるものです。
避妊手術を受けていないモルモットの子宮は、長い期間にわたって女性ホルモンの刺激を受け続けます。
その結果、子宮の内側の膜が厚くなったり、子宮にできものができたりします。 

また、モルモットは卵巣に水ができる卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)という病気も多い動物です。
卵巣嚢腫は子宮の病気と同時に起こることがあるので、注意しましょう。

モルモットの代表的な子宮の病気は、次の通りです。

  • 子宮内膜過形成:子宮の内側の膜が厚くなる病気
  • 子宮内膜ポリープ:子宮の内側の膜にできる良性のできもの
  • 子宮腫瘍:子宮にできる腫瘍
  • 子宮蓄膿症:子宮の中に膿がたまる病気

子宮の病気は良性のものであっても、出血を起こす可能性があるため安心はできません。 子宮からの出血が続くと、モルモットは貧血になり、体力も落ちてしまいます。
悪性の腫瘍の場合は、ほかの臓器に広がるおそれもあります。
3歳を過ぎた避妊していないメスのモルモットは、子宮の病気に特に注意が必要です。

モルモットの子宮疾患でみられる症状

モルモットの子宮の病気で飼い主様がもっとも気づきやすい症状は、陰部からの出血です。 子宮からの出血は、尿に混じって出てくることが多いです。
そのため、血尿との区別が難しく、膀胱炎や膀胱の結石と間違われることも少なくありません。
モルモットの子宮疾患でみられるおもな症状は、次の通りです。

  • おしっこが赤い
  • 陰部から血が出ている
  • 陰部からしこりのようなものや、おりものが出ている
  • お腹がふくらんでいる
  • 食欲がない

ただし、病気の初期には、目立った症状が出ないことがほとんどです。
飼い主様は日ごろから食欲や尿の色をチェックし、 少しでも気になる変化があれば、早めに動物病院を受診しましょう。

モルモットの子宮疾患の診断

モルモットの子宮の病気を正しく診断するためには、いくつかの検査を組み合わせることが大切です。
具体的には以下のような検査が行われます。

  • エコー検査
  • レントゲン検査
  • 尿検査

なかでもエコー検査は、子宮の病気の診断に有用な検査です。
エコー検査では、子宮が腫れていないか、子宮内に液体がたまっていないかなどを確認することができます。
また、卵巣嚢胞などの卵巣の異常もエコー検査によって調べることが可能です。
なお、子宮の病気が良性か悪性かを診断するには、手術で取り出した組織を詳しく調べる病理検査を受けることが大切です。

モルモットの子宮疾患の手術とは?

モルモットの子宮の病気の治療では、子宮と卵巣を取り除く外科手術がもっとも効果的とされています。
子宮だけでなく卵巣も取り除く理由は、病気の原因である女性ホルモンが卵巣から出ているためです。
卵巣を取り除けば、病気の再発や、卵巣自体の病気も防げます。 

また、モルモットは体が小さいため、麻酔の影響を受けやすい動物です。
手術中は体温や呼吸を細かく見守り、手術後も注意深く経過を見ることが大切です。
手術の後に胃腸の動きが止まるうっ滞という状態になり、食欲が落ちることも少なくありません。
モルモットが手術後に自力で食べられないときは、食事のサポートが必要になることもあります。 このように、モルモットの手術には、犬や猫とは異なる知識と経験が必要です。
モルモットの手術を考えるときは、エキゾチックアニマルの診療に力を入れている動物病院に相談することをおすすめします。

モルモットの子宮内膜ポリープを手術した実際の症例

ここからは、当院で実際に子宮と卵巣を取り除く手術を行ったモルモットの症例をご紹介します。
今回の症例は、4歳の避妊していないメスのモルモットです。
飼い主様が「陰部から何かが出ている」ことに気づき、当院を受診されました。
陰部を確認すると、根元が細い棒状の組織が外に飛び出している状態でした。
こちらが実際の症例の写真です。

陰部から組織が飛び出している様子

さらにエコー検査を行うと、子宮が腫れていることがわかりました。
検査の結果から、子宮のできものが陰部から出ていると判断し、飼い主様と相談した上で、子宮と卵巣を摘出する手術を実施しました。
こちらが手術中の写真です。

子宮と卵巣を摘出しようとしている状態

 取り出した子宮を病理検査に出したところ、「子宮内膜ポリープ」という良性のできものと診断されました。

摘出した子宮と卵巣

この症例では、飼い主様が陰部の変化にすぐに気づいたため、病気が進行する前に診断し、手術を行うことができました。

まとめ

メスのモルモットは、年齢とともに子宮の病気にかかりやすくなります。
陰部からの出血や、陰部から何かが出ているといった変化は、子宮の病気のサインかもしれません。
子宮の病気の多くは、子宮と卵巣を摘出する手術が必要になります。

当院は、犬や猫だけでなく、モルモットの手術にも対応している動物病院です。
手術の前の検査から手術後のケアまで、獣医師とスタッフがしっかりサポートいたします。 「いつもと様子が違う」
と感じたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

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