2026/4/3
エキゾチックアニマル
ゴールデンハムスターの開放骨折の一例ハムスターの骨折について
ハムスターの歩き方がいつもと違うとき、「骨折していたらどうしよう?」と不安になる飼い主様は多いのではないでしょうか。
ハムスターの骨折は命にかかわることもありますが、早期に適切な治療を行うことで、生活の質を保ちながら暮らすことができます。
この記事では、ハムスターの骨折の原因や症状、治療法についての解説と、実際に当院で手術をしたハムスターの開放骨折の症例についてご紹介します。
ハムスターの歩き方に違和感がある方は、ぜひ最後までお読みいただき、ハムスターの骨折についての知識を深めていきましょう。
骨折の原因
ハムスターの骨折の原因について解説します。
ハムスターの骨折は、日常生活の中でも意外と起こりやすいトラブルです。
主な原因としては、以下のようなものがあげられます。
- 飼い主に踏まれる
- 家具の下敷きになる
- 高所から落下する
- 同居動物と喧嘩する
- 代謝性疾患により骨が脆弱化する
特に室内で自由に遊ばせている場合は、人の動きによる接触事故が多く見られます。
ハムスターの身体は小さいため、ささいな接触が骨折などの大怪我につながりかねません。
ハムスターを室内で遊ばせるときは、必ず目を離さないように注意しましょう。
骨折したときの症状
ハムスターが骨折したときには以下のような症状が見られることがあります。
- 足を引きずる
- 足に力が入らなくなる
- 出血する(開放骨折)
- 腫れる、変形する
- 呼吸が荒くなる
- ぐったりする
特に骨が外に露出している「開放骨折」は、感染リスクが高く緊急性が高い場合が多いです。
骨の折れている部位や折れ方によっては、すぐに対処しなければ命に関わることもあります。
上記のような症状がみられたら、すぐに動物病院に相談しましょう。
骨折の治療
ハムスターの骨折の治療方法は、骨折の部位や程度によって異なります。
主な治療法は以下のとおりです。
- 外固定(包帯や副木で固定する方法)
- 髄内ピン(骨髄腔にピンを挿入して固定する方法)
- 断脚(足ごと切断する方法)
骨が皮膚を突き破って外に出ている開放骨折では、細菌感染のリスクが非常に大きくなります。
開放骨折では、感染の拡大を防ぎ、痛みを取り除くことを目的として、断脚を選択することもあります。
断脚と聞くと不安に感じる方も多いと思いますが、ハムスターは3本足でも日常生活を不自由なく暮らせるケースが多いです。
適切に痛みの管理をすることで、術後も生活の質を保つことが可能です。
術後のケア
術後の家でのケアについて、大切なポイントは以下の通りです。
- 安静を保つこと
- 傷口の清潔維持
- 食欲・排泄の確認
- 体重の管理
ハムスターは体力の消耗が早いため、術後の管理がとても大切です。
家ではハムスターの様子をよく観察して、ハムスターが回復しやすい環境を整えましょう。
ゴールデンハムスターの開放骨折の1例
当院で診察したゴールデンハムスターの骨折の症例を紹介します。
1歳5カ月の雄のゴールデンハムスターが、ドアに右後肢をはさんだとのことで来院しました。
診察の結果、右後肢の開放骨折が確認されました。
以下の画像が、来院時の所見です。

開放骨折とは皮膚を突き破った骨折で、感染リスクも高く、痛みも強い傾向にあります。
以下が、症例のレントゲン画像です。

今回は飼い主様と十分に相談したうえで、手術による断脚を選択しました。
現在は抜糸予定日までの経過観察中です。
以下が術後の画像です。

ハムスターは、3本足になっても日常生活に適応できることが多いです。
ハムスターの開放骨折では、早期に痛みや感染のリスクをとり除くことが重要となります。
全身状態が悪くなってからの手術は、麻酔のリスクも増加してしまいます。
全身状態が悪化する前に動物病院で診てもらうようにしましょう。
まとめ
ハムスターの骨折は、日常のちょっとした事故で起こる身近なトラブルです。
しかし、小さな体にとっては非常に大きなダメージとなります。
少し様子がおかしいと感じたら、できるだけ早く動物病院を受診することが大切です。
早期の診断と治療が、その後の生活の質を大きく左右します。
大切な家族を守るためにも、普段の生活環境の見直しと、万が一の際の迅速な対応を心がけることができると良いですね。
当院では、ハムスターをはじめとしたエキゾチックアニマルの診療も積極的に行っております。
ハムスターについて、わからないことや不安なことがあれば、いつでもご相談ください。